多くのファンが抱く「なぜゴールデンカムイの声優陣はここまで豪華なのか」という疑問。その決定的な理由は、「キャラクターの生命力に負けない声の強度」を最優先したキャスティング方針にありました。
音響監督やプロデューサー陣が語るオーディション秘話によれば、杉元佐一役の選考では、単なるヒーロー然としたカッコよさではなく、「戦争帰りの傷を抱えた生々しい泥臭さ」と「アシㇼパに見せる素朴な優しさ」の両立が求められました。当時、アニメ主演の経験が少なかった小林親弘さんの飾らない剥き出しの芝居が、満場一致で杉元そのものだと判断されたのです。
一方、アイヌの少女・アシㇼパ役の白石晴香さんは、凛とした気高さだけでなく、ギャグシーンにおける「変顔」の演技幅が決め手となりました。テスト段階から一切の照れを捨てて全力の絶叫と変顔芝居をぶつけた姿勢が、制作陣の心を撃ち抜いたと明かされています。
また、本作には「変態的なこだわりを持つ危険人物」が次々と登場します。これらをリアリティを持って演じ切るには、並大抵の技術では太刀打ちできません。結果として、一癖も二癖もある猛者たちを成立させるために、必然的に第一線で活躍するベテランや怪演を得意とする実力派声優が集結することとなりました。