武部毅氏の父は、自由民主党の幹事長や農林水産大臣といった要職を歴任した重鎮政治家、武部勤氏である。北海道を地盤に政界で絶大な存在感を示した父の存在は、毅氏の物事の捉え方やビジネス構築の視点にも少なからぬ影響を与えた。
大物政治家の息子の転身といえば、自らも政界へ出馬する道を選択するのが一般的なストーリーとして語られがちだ。しかし毅氏が選んだのは、政治の力に依存することなく自らのアイデアと決断力で勝負する民間ビジネスの荒波であった。自由民主党の第一線で権謀術数を繰り広げた父の姿を間近で見つめ育った経験は、政界とは異なる事業展開の場においても、強靭な交渉力と長期的な大局観を養う糧となった。