現在の華々しい活躍からは想像しにくいですが、玉森裕太の下積み時代は決して平坦なものではありませんでした。
入所日は2002年12月1日。当時12歳(中学1年生)だった玉森は、母親に「釣りに行く」と連れ出され、オーディション会場に連れて行かれたという有名なエピソードがあります。本人は当時アイドル活動に全く興味がなく、オーディション中も涙を流していたと過去のインタビューで述懐しています。
同期メンバーには、同じオーディションを受けた元NEWSの手越祐也やHey! Say! JUMPの八乙女光が名を連ねています。同期や後輩が先にデビューを掴み取るなか、玉森はKis-My-Ft2の前身ユニットなどを経て、長いジュニア期間を過ごしました。
転機となったのは2009年の映画『ごくせん THE MOVIE』への主要キャスト抜擢、そして2011年8月10日のCDデビュー(当時21歳)直後に主演を務めたドラマ『美男ですね』(TBS系)でした。ここから玉森の俳優としての快進撃が幕を開けます。
- 『信長のシェフ』シリーズ(テレビ朝日系):過酷な時代劇の現場で単独初主演を張り、演技の基礎体力を確立。
- 『グランメゾン東京』(TBS系):木村拓哉をはじめとする実力派俳優陣のなかで葛藤する若手シェフ・平古祥平役を熱演し、第103回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞を受賞。
- 『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系):屈託のない笑顔で世の女性を虜にする“子犬系男子”を好演し、社会現象級のブームを牽引。
- 『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』(日本テレビ系):人の気持ちに寄り添う繊細な研修医役で新境地を開拓。
- 『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系):金髪のカメラマンでありながらボクシングに打ち込む複雑な二面性を持ち、肉体美と陰りのある演技で高評価を獲得。
20代から30代へと移り変わるなかで、玉森はアイドルとしてのキラキラ感を保ちながら、俳優として「陰と陽」「脆さと強さ」を同居させられる稀有な表現者へと脱皮を遂げました。