「神宮」の筆頭として君臨するのが、三重県伊勢市に鎮座する伊勢神宮である。正式名称は単に「神宮」であり、他の神宮と区別するために地名を冠して呼ばれるのが通例だ。ここには皇室の祖神であり、日本国民の総氏神とされる天照大御神が祀られている。古来より「お伊勢さん」と親しまれつつも、国家最高の聖域として特別な崇敬を集めてきた。
一方、東京都渋谷区の広大な鎮守の森に囲まれた明治神宮は、近代日本の礎を築いた明治天皇とその妃である昭憲皇太后を祭神として祀る。20世紀初頭に全国からの献木とボランティアの手によって造営された人工林は、100年の時を経て豊かな完全自然林へと変貌を遂げた。皇室との絆を象徴するこれらの神宮は、単なる祈りの場を超え、日本の精神的アイデンティティを体現する象徴的空間であり続けている。