無期懲役の判決が確定した犯人の男は、公判中も反省の弁を述べることなく、社会への強い不満と歪んだ自己顕示欲を露わにし続けた。「刑務所に入りたかった」というあまりにも身勝手な動機は、当時の日本社会に深い絶望感をもたらした。孤立し、社会への復讐心を取り込んだ個人が、突如として牙をむく。この構造は、現在の社会でも形を変えて存在し続けている。
司法は犯人に厳しい判断を下したが、それで問題が解決したわけではない。孤立する若者の支援や、精神的なセーフティネットの構築など、犯罪を未然に防ぐための社会的なアプローチは今なお発展途上である。新幹線車内という閉ざされた空間での悲劇は、現代社会が抱える「孤立」という病理を浮き彫りにした鏡でもあった。