なぜ各社はこれほどまでに瓶からの撤退を急ぐのか。その最大の理由は、乳製品・酪農業界全体を覆う深刻なコスト高騰と物流問題にある。
ガラス瓶は重く、輸送時の燃料費が嵩む。さらに使用済みの瓶を回収し、洗瓶・殺菌して再利用する「リターナブルシステム」は、人手不足と物流コスト上昇の直撃を受けた。洗瓶機を維持するための設備投資やエネルギー費用も年々増大しており、専用のガラス瓶を供給する製造メーカー自体の廃業も相次いでいる。環境配慮という観点では優れていたはずのガラス瓶が、経済的合理性の前で存続の危機に瀕しているのだ。