風向きが大きく変わったのは、彼女がSNSという自前のプラットフォームを通じて、過去に受けた深刻な性暴力やパワハラ被害を実名混じりで告発し始めてからだ。大物芸能人や制作幹部による絶対的な権力行使、そして被害者が泣き寝入りせざるを得なかった当時の業界体質を、包み隠さず吐露した動画やポストは、またたく間に拡散された。
かつての日本のエンターテインメント界では、成功の代償としてハラスメントを耐え忍ぶことが「暗黙の了解」とされていた節がある。だが、彼女の発信はそうした不条理な「沈黙の掟」を正面から粉砕した。国際的な#MeToo運動の潮流とも呼応しながら、日本国内における旧態依然とした権力構造へ鋭い執刀を行ったのだ。