長年にわたり演歌の第一線で活躍してきた小林幸子だが、そのキャリアにおいて劇的な転換点が訪れる。ネットカルチャーとの衝撃的な融合だ。若者が集まる動画配信プラットフォーム「ニコニコ動画」への降臨は、当時の芸能界に大きな衝撃を与えた。
ボカロ曲の代表作「千本桜」を圧倒的な歌唱力と神々しい存在感でカバーした動画は、瞬く間にミリオン再生を突破。画面を埋め尽くすコメントには、ゲームの最終局面に立ちはだかる最強の敵へのリスペクトを込めて「ラスボス」の称号が躍った。演歌という既存のジャンルの壁を軽々と飛び越え、サブカルチャーの若者たちと正面から向き合った彼女の姿勢は、ネット空間に空前絶後のムーブメントを巻き起こしたのだ。