感染後の病態は、主に3つのステージを経て推移する。感染初期の「急性期」には、一時的な発熱やリンパ節の腫れ、軽度の下痢などが現れるが、数週間から数か月で症状は一度治まる。多くの飼い主はこの変化を見逃してしまう。
続いて訪れるのが「無症状キャリア期」だ。この期間は数年から10年以上、時には生涯にわたって続く。免疫機能は保たれており、外見的にも健康な猫と何ら変わりない生活を送ることができる。この段階でいかに免疫力を維持できるかが、その後の運命を左右する。
万が一免疫系が破綻すると、「エイズ関連症候群(ARC)」から「エイズ発症期」へと移行する。難治性の重度な口内炎や歯肉炎、慢性的な体重減少、貧血、そして日和見感染症が次々と愛猫の体をむしばむ。しかし、重要なのは「無症状キャリア期のまま発症せずに寿命を迎える猫が多数存在する」という事実だ。