尾崎豊の名を一躍全国区にしたのは、あまりにも鮮烈なデビュー作「15の夜」や、社会への反逆を歌い上げた「卒業」といった楽曲群だった。大人たちの支配や既成概念への怒りを剥き出しにした歌詞は、当時の若者たちの心を強烈に捉えた。彼らの代弁者として祭り上げられるスピードは速すぎた。
生前の彼は、日本のロックシーンにおいて自らが背負わされた象徴的な役割に苦しんでいた。ステージ上で激しく体をぶつけ、魂を削るようなパフォーマンスを繰り返す裏で、自身の提示する表現と世間の求める像とのギャップに喘ぎ続けていたのだ。