審査員の目を一瞬で惹きつける文章には、明確な「仕掛け」が存在する。あらすじの要約や「〇〇を読んで感動しました」という典型的なフレーズで始めるのは、最も避けたいパターンだ。冒頭の一行で読者の心を掴むには、自分の体験や鋭い問いかけから入るアプローチが絶大な効果を発揮する。
例えば太宰治の『走れメロス』を取り上げる場合、「友情の大切さを学んだ」と書き出すのではなく、「私は友達に嘘をついたことがある」という衝撃的な自己開示からスタートさせる。全国読書感想文コンクールで高く評価される作品の多くは、こうした個人的な違和感や衝突を起点にしている。本の世界と現実の自分を最短距離で結びつけること、これこそが高評価を勝ち取る最大の裏ワザと言える。