滋賀県の琵琶湖周辺では、長年にわたり各自治体が独自の花火大会を企画してきた。だが、近年の警備人件費の高騰や資材費の上昇、そして何より局所的な人流集中による群衆事故のリスクが、従来の単独開催モデルを限界へと追い込んだ。
事態を打開すべく立ち上がったのが、商工会議所や観光協会、そして3市の行政が一体となった実行委員会だ。発想の転換はシンプルかつ大胆だった。一ヶ所に集まるから危険なのであれば、打ち上げ場所を3箇所に分散させ、湖を取り囲む形で同時に夜空を彩ればいい。観覧客の視界と足取りを分散させるこの前例のない構想は、こうして現実の計画へと動き出した。