あの日、第20位として名前を呼ばれたNMB48のメンバー、須藤凜々花はマイクの前に立った。誰もが期待したのは、支持してくれたファンへの感謝とグループの未来に向けた威勢の良い抱負だった。しかし、彼女の口から飛び出したのは「初めて好きな人ができました」「結婚します」という、誰も予測し得なかった一言だった。
会場にいた記者たちのペンが一瞬で止まり、パイプ椅子に座っていた仲間たちの表情が凍りついた。冗談か、それとも高度なバラエティの仕込みか。困惑が広がる中、本人は至って真剣な表情を崩さなかった。ファンが何百枚ものCDを投票券として買い求め、彼女の将来を夢見て投じた票は3万票を超えていた。その期待への返答が「結婚」であったという現実は、J-POPシーンにおけるファンとアイドルの契約関係を根底から揺さぶる出来事となった。