キャリアの晩年、彼は人間の温かみや生の尊厳を描く作品においても唯一無二の存在感を示した。脚本家・倉本聰とのタッグによる『風のガーデン』は、彼にとっての遺作であり、最高峰のヒューマンドラマとして語り継がれている。
病と戦いながら撮影に臨んでいた彼は、迫りくる病魔の影を微塵も感じさせず、富良野の美しい自然の中で厳しくも優しい麻酔科医の父親像を完璧に演じ切った。死の間際まで表現者としての矜持を保ち続けた彼の姿は、共演した役者陣やスタッフに深い感銘を与えた。その静かなる熱演は、今なお観る者の涙を誘ってやまない。