設楽博臣が確立した演出スタイルは、彼と共に現場で仕事をした若手スタッフや、後の世代のアニメーション監督たちに計り知れない影響を与えた。
1980年代から1990年代にかけて活躍した演出家たちは、設楽の現場から「キャラクターの感情をどう画面に定着させるか」「ストーリーの盛り上がりをいかに絵コンテへ落とし込むか」という実践的なノウハウを学んだ。
『美少女戦士セーラームーン』シリーズをはじめとする後年のアニメ、さらには現代の日常系アニメにおける情感豊かな演出技法にも、設楽が作り上げた東映動画流の演出美学の遺伝子が脈々と受け継がれている。