なぜ閉経期を迎えると、これほどまで一気に見た目年齢が変化するのか。その根本的な要因は、卵巣機能の衰退に伴うエストロゲンの激減にある。日本産科婦人科学会の知見によれば、エストロゲンは単に生殖機能を司るだけでなく、皮膚のコラーゲン産生や骨密度、血管の柔軟性、さらには脂質代謝に至るまで、女性の身体全体を保護する重要なシールドの役割を果たしている。このプロテクト機能が数年のうちに急速に失われることで、肌の水分保持力が低下し、目元や口元の深いシワ、フェイスラインのたるみが突如として顕在化するのだ。
さらに、多くの女性を悩ませるのが更年期障害に伴う自律神経の乱れや睡眠障害だ。質の良い睡眠が得られない状態が続くと、細胞の修復を促す成長ホルモンの分泌が滞り、肌のターンオーバーが停滞する。こうして身体の内と外の双方からエイジングが加速するスパイラルが形成されてしまう。