近年の夏は酷暑が当たり前となり、京都の最高気温は40度に迫る日も珍しくなくなった。茶樹はデリケートな植物であり、特に最高級の抹茶の原料となるテン茶(石臼で挽く前の茶葉)は、直射日光や乾燥に極めて弱い。伝統的なよしずとワラを使った遮光方法だけでは、近年の異常な紫外線を遮りきれない事態が発生している。
生産現場からは悲鳴が上がっている。気温上昇に伴う病害虫の発生サイクルの変化も、農家を悩ませる要因だ。これまでの経験則が通用しない気候変動の中で、いかにして宇治茶特有の深いコクと鮮やかな緑色を維持するのか。現場は毎日が時間との戦いだ。