長年愛されるNHK『きょうの料理』のアーカイブや、料理家・栗原はるみ氏のレシピ群を観察すると、この素材特性の見事な使い分けが随所に見られます。栗原氏は、カブのみずみずしい柔らかさを活かした挽肉あんかけや、ミルクベースの滑らかなスープを提案する一方で、大根には豚バラ肉の濃厚な脂を受け止める長時間の煮込みや、薄切りにしたパリパリ食感のサラダを割り当てています。
家庭料理の現場では、「煮物だから大根」「サラダだからカブ」と単純に決めつける必要はありません。それぞれの水分量と火の通りやすさを把握していれば、大根をスライサーで極薄に切って繊細なカルパッチョに仕立てたり、カブを丸ごとローストして外は香ばしく中はトロトロのステーキに仕上げたりと、表現の幅は無限に広がります。