齋藤飛鳥のグラビア史を語る上で欠かせないのが、2017年1月に幻冬舎から刊行された1stソロ写真集『潮騒』です。北海道の雄大な大自然と沖縄の澄み切った離島で撮影された本作は、当時18歳だった彼女の瑞々しい素顔を捉え、乃木坂46の水着カットにおけるひとつの基準を打ち立てました。青い海を背景に見せたピュアな水着姿は、あどけなさと憂いを帯びた独特の眼差しが同居し、発売と同時に社会現象とも言える大反響を巻き起こしました。
それから約6年後、乃木坂46卒業を記念して2026年5月に講談社から発売された写真集『ミュージアム』では、表現の深度が一層際立ちました。舞台となったアメリカ・ニューヨークのクラシカルなホテルやビーチで見せた水着・ランジェリーカットは、少女から大人の女性へと進化した洗練美を見事に体現しています。過度なセクシーさを強調するのではなく、都会の空気感や光の陰影に溶け込むような佇まいは、まさに「美術館」の名にふさわしい仕上がりとなりました。
週刊誌や漫画誌の表紙を幾度となく飾ってきた齋藤飛鳥の歴代グラビアまとめを俯瞰すると、彼女は常に「自らの身体性を記号として消費させない」という確固たる意志を持ちながら、カメラマンや編集チームとの共同作業で独自の表現世界を構築してきたことが分かります。