ネット上の掲示板やSNSでは、「進研模試は問題が平易で母集団の学力層が広いため、偏差値が高く出すぎる」「進研模試の判定は甘いから信用できない」といった言説が散見されます。しかし、大学受験の指導現場におけるデータ分析では、この言説には明確な盲点が存在します。
「進研模試の偏差値マイナス5〜10ルール」の真相
一般的に、母集団が進学校中心に絞られる「河合塾全統記述模試」と比較すると、進研模試の偏差値は見かけ上5〜8程度高く算出される傾向があります。例えば、進研模試で偏差値65を獲得した生徒が、河合塾全統模試を受けると偏差値57〜60程度に着地するケースは珍しくありません。
だからといって「模試が無意味」であることには直結しません。進研模試の最大の強みは、「高校基礎〜標準レベルの穴を1点単位であぶり出す網羅性」にあります。難関国公立大や難関私立大の個別試験(2次試験)であっても、合格者の大半が確保するのは「標準レベル問題の完答」です。高2・11月時点で進研模試の標準問題を落としている場合、難問対策に着手する資格がないという冷徹な事実を示しています。
志望校判定(A〜E判定)を正しく読み解く基準
高2・11月時点での志望校判定は、あくまで「現時点での基礎定着度に基づく相対的位置」に過ぎません。
- A〜B判定(合格可能性60〜80%以上):基礎は順調に完成。高3に向けて応用発展・志望校別演習への移行準備が整っている状態。
- C判定(合格可能性40〜60%未満):ボーダーライン上。特定教科に明確な「穴(失点単元)」が存在しており、冬休み中の集中補講でA判定への浮上が可能。
- D〜E判定(合格可能性20〜40%未満):履修範囲全体の定着不足、または特定の大問が0点に近い状態。ただし、高2秋からの学習戦略の抜本的見直しにより、1年後の逆転合格は十分に現実的な圏内です。