かつての冷戦型スパイ容疑とは異なり、現代の対日諜報活動はビジネスや学術交流の顔をして忍び寄る。とりわけ新興国の国営企業や外国政府とつながるハッカー集団が手口を洗練させており、軍民両用(デュアルユース)技術の不正輸出や産業スパイ活動は留まることを知らない。
警察・治安行政の立場からも、従来の法体系だけでは補いきれない領域への対処が急務となった。企業や大学に対する漏洩防止の防犯講話から、ダークウェブ上の不正取引の監視まで、外事部門の捜査領域はかつてないほど拡大している。国家の富と市民の平穏を影から守る戦いは、もはや国際政治の最前線そのものだ。