かつて将棋界の年間獲得賞金記録を保持していたのは、永世七冠の偉業を達成した羽生善治九段である。羽生九段が1995年に七冠を達成した際の公表賞金・対局料は約1億6,500万円であり、長年にわたりこれがプロ将棋界における不滅の金字塔とされてきた。
しかし、藤井聡太はこの壁をあっさりと塗り替えた。対局料自体の水準向上に加え、現代におけるCM・広告価値の飛躍的な高まりが大きな差異を生んでいる。羽生全盛期と比較しても、現在の藤井が手にする総収入は当時の2倍以上に及ぶ可能性が高い。これは単なる個人の勝利にとどまらず、棋士という職業の経済的ステータスそのものを引き上げたと言える。