戦後復興から世界有数の経済大国へと駆け上がった時代、日本を牽引した原動力は紛れもなく団塊世代を中心とする男性主導の勤労観であった。寝食を忘れて企業に捧げた労力と、膨張を続ける都市の風景。そこには「他者を凌駕し、領域を拡大する」という原始的な征服欲求が色濃く反映されていた。
しかし、その拡大路線がもたらした成果の裏には、個人の多様性や異論を排除する強烈な同質性圧力という負の遺産が残された。時代の成功体験があまりにも強烈だったがゆえに、ポスト成長期に入ってもその精神構造は解体されず、組織の深層に根強く残留し続けた。この過去の残像と現代の現実との乖離こそが、現在の文化的停滞を招いた最大の要因として再評価されている。