変化の引き金となったのは、世界中から押し寄せるインバウンド観光業の奔流だ。
かつてサッカー界のスーパースター、デヴィッド・ベッカム氏をはじめとする海外の著名アスリートやアーティストが来日した際、全身のタトゥーゆえに日本の伝統的な温泉に入れないのではないかという議論が国際的メディアで報じられた。これが大きな波紋を呼ぶことになる。
国も動いた。観光庁は全国の宿泊施設に対して実態調査を実施し、一律拒否から柔軟な対応への転換を呼びかけた。当時の観光庁長官も、多様な文化背景を持つ訪日客への配慮の重要性を折に触れて言及。さらに日本温泉協会もガイドラインをアップデートし、事業者が客層に応じた判断を下せるよう後押しを開始したのだ。