証券口座は複数持つべき?上級者が使い分ける理由と2026年の落とし穴

証券口座は複数持つべき?上級者が使い分ける理由と2026年の落とし穴

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「特定口座の源泉徴収ありを選んでいれば、確定申告は一生無縁」——そう信じ込んでいる投資家は少なくありません。しかし、複数の特定口座を併用した瞬間、税金の仕組みは一歩深い理解を要求してきます。

原則として、特定口座(源泉徴収あり)を複数持っていても、確定申告をする法的な義務はありません。各社がそれぞれの口座内で利益に対して約20.315%(所得税15.315%、住民税5%)を自動天引きし、税務署へ代理納付してくれるため、申告漏れとして追徴課税を受ける心配はゼロです。

しかし、問題は「一方の口座で利益が出て、もう一方の口座で損失が出た場合」に発生します。

例えば、A証券で100万円の売却益が出て約20万円の税金が天引きされた一方、B証券の取引で40万円の損失を出したと仮定します。何もしなければ、手元から引かれた約20万円の税金はそのままであり、B証券の40万円の損失は帳簿上切り捨てられた状態になります。

ここで威力を発揮するのが、証券口座間の損益通算です。確定申告を行い、A証券の利益100万円とB証券の損失40万円を合算して「年間のトータル純利益は60万円だった」と税務当局に正しく申告します。これにより、過大に徴収されていた約8万円(40万円×約20%)の税金が指定口座に還付金として戻ってくるのです。これが証券口座における損益通算の正しいやり方の根幹です。

ただし、ここで専門家が警鐘を鳴らす重大な盲点があります。それが「住民税および国民健康保険料への波及」です。

会社員(社会保険加入者)であれば、特定口座の損益通算を確定申告しても給与天引きの健康保険料に直接影響することはありません。しかし、自営業者、フリーランス、退職後のシニアなど「国民健康保険」に加入している層が確定申告を行うと、申告した譲渡所得が総所得金額に算入され、翌年度の国民健康保険料や介護保険料が跳ね上がるリスクが存在します。還付される数万円の税金よりも、保険料の増額分が上回ってしまう「逆転現象」は税務相談の現場で頻発している典型的な悲劇です。申告を行う際は、確定申告書上で所得税と住民税の課税方式の一致ルール(近年の税制改正による変更点)を十分に考慮する必要があります。

林 結菜
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林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。