株式会社TBMの「評判」を検索すると、ここ数年は元従業員や取引先による辛辣な声が目立つ。特に労働環境と給与未払いに関する訴訟は、同社の内情を映す鏡だ。複数の元社員が、時間外労働に対する未払い賃金や、業績悪化に伴う整理解雇の不当性を訴えて労働審判や民事訴訟を提起している。中には和解に至ったケースもあるが、裁判所での主張や判決文からは、経営陣と現場の間に深刻なコミュニケーション断絶があったことが読み取れる。
採用面では、一時は「環境分野で働きたい」と願う若手からの応募が殺到したが、2026年以降は求人倍率の低下と内定辞退の増加が報じられている。口コミサイトには「理念は素晴らしいが、経営の意思決定が遅く、現場に負担が集中する」「数値目標だけが上から降りてきて、戦略が二転三転する」といった投稿が散見される。平均年収も前述の通り、都内の同規模ベンチャーと比較して低い水準にとどまっている。
一方で、当時の経営幹部への取材では「素材の可能性を信じ、短期的な利益よりも将来の環境インフラ構築を優先してきた」という反論も根強い。LIMEXの特許技術や、宮城県の工場を中心とした生産体制は一定の完成度に達しており、技術そのものに問題があったわけではない。問題は、その技術をどう利益に結びつけるかという事業戦略とガバナンスにあったというのが、複数の業界アナリストの共通認識だ。