「裁縫道具一式を揃えるのは億劫」という場合でも、本格的な背もたれカバーは問題なく自作できます。現在の手芸用接着剤は非常に進化しており、アイロンの熱で強力に圧着する布用接着剤(「ボンド 裁ほう上手」など)を使えば、ミシン縫製と同等以上の強度を誇る仕立てが可能です。
布用ボンドを活用した椅子カバー作り方(ミシンなし)の手順は以下の通りです。
- 布の裁断:前述の計算式に沿って、前布と後ろ布の2枚(またはつながった1枚布)を裁断します。
- 裾の処理:カバーの入り口となる裾部分を1cm裏側に折り、布用接着剤を塗布してアイロンでしっかり圧着します。
- 中表で張り合わせ:生地の表面同士を内側にして重ね、左右と上部ののりしろ(端から1〜1.5cm幅)に接着剤を塗布。
- 圧着と乾燥:当て布をしてアイロンを中温で均一にかけ、完全に冷めるまで数分間放置します。
- 表に返す:完全に乾いたら生地を表側にひっくり返し、角を目打ちなどで整えて完成です。
また、針と糸を使って仕上げたい場合でも、椅子カバーの手縫いは簡単な「本返し縫い」をマスターするだけで十分な強度が得られます。波縫いよりも強度が格段に上がるため、角や圧力がかかりやすい上部だけでも本返し縫いで固定すると、長期間の使用でもほつれません。ネット上で配布されている椅子のカバー型紙(無料ダウンロード)を利用する場合でも、まずはこのシンプルな四角形の袋縫い構造から試すのが最も失敗の少ないルートです。