冬の訪れとともに見られる名物が、十数頭から時には数十頭ものサルが体を寄せ合い、ひとつの大きな塊となる「サルダンゴ」だ。紀淡海峡から吹きつける冷たい浜風をしのぐため、サルたちが互いの体温を分け合う姿は、見る者の心を捉えて離さない。
圧巻なのは、そのダンゴの中心部に真っ先に通されるのが小さな子ザルや体力の弱い個体である点だ。身を寄せ合う中心ほど暖かく、外側ほど風が当たる。強い者が中央を占拠するのではなく、自然と互いを守り合うような配置が形成される光景は、単なる寒さしのぎを超えた生命の温もりを感じさせる。