「ブロンドの貴公子」「アメリカの理想の青年」と称されたレッドフォードですが、その生い立ちは決して平坦なエリートコースではありませんでした。
カリフォルニア州サンタモニカで生まれ育った彼は、学生時代は野球に打ち込むスポーツ青年でした。しかし、コロラド大学進学後に最愛の母を亡くしたショックから荒れた生活を送るようになり、大学を中退。その後、画家を目指してヨーロッパへ単身渡米し、パリやフィレンツェで絵画を学ぶという放浪の時代を経験します。
ニューヨークに戻った後、ブルックリンの美術学校プラット・インスティテュートで舞台美術を学び始めますが、そこで演劇の魅力に取り憑かれ、名門アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツ(AADA)に入学。1950年代末からブロードウェイの舞台やテレビドラマで頭角を現し始めました。
1967年の舞台映画化『裸足で散歩』でジェーン・フォンダの相手役を務め脚光を浴びると、その端正なルックスと陰影のある繊細な演技力で、一躍ハリウッドのトップスターへと駆け上がっていったのです。