光線のキャリアは、商業アニメーションのデザイン現場から始まった。ミリ単位の規律と再現性が求められる映像プロダクションの世界。そこで培われた視覚的ロジックと、幼少期から親しんできた針と糸の手仕事が融合したとき、独自のぬいぐるみが誕生した。
商業ラインに乗る一般的なぬいぐるみは、金型や自動縫製によって完全な均一を目指す。だが、光線の目指す地点は正反対だ。型紙の起こしから裁断、縫製、綿詰め、そして最後の顔の刺繍に至るまで、すべての工程を作家自身の両手で行う。そこには工場生産では削ぎ落とされてしまう「揺らぎ」が残る。
ブランド名である「光線」は、暗がりの中に一筋の光が差し込むような、ささやかでありながら確かな存在感を表している。直線的な工業製品に囲まれた現代生活において、その微細な歪みと温もりは、手にした者の感情を直接揺さぶる。