一般的なすき焼きやしゃぶしゃぶでは、牛肉や豚肉を煮込みすぎるとタンパク質が凝固してパサつきの原因になります。しかし、猪肉はこの常識が一切通用しません。猪肉の最大の特徴は、「煮込めば煮込むほど肉質が柔らかくなり、旨味がスープへ溶け出す」という点にあります。
猪肉の結合組織には良質なコラーゲンが豊富に含まれており、加熱を続けることで筋繊維がほぐれ、トロトロとした柔らかい食感へと変化します。鍋が沸騰したら、まずは根菜類と一緒に猪肉を投入し、弱火〜中火で最低でも15分〜20分間じっくり煮込むのが美味しく仕上げる決定的な秘訣です。
煮込み始めに浮き出てくる泡状のアクを丁寧にお玉ですくい取ることで、雑味のない澄んだコクを残すことができます。また、肉を煮る過程で出汁にとろみがつき、味噌と脂が一体化してスープの粘度が増していく様子は、まさにぼたん鍋ならではの醍醐味です。