都内の認可保育園を訪ねると、4歳児クラスの壁いっぱいにシロップの匂いまで漂ってきそうな色鮮やかな作品が並んでいた。以前の夏制作といえば、三角に切った画用紙にクレヨンで描くだけのルーティンになりがちだった。しかし、今年のトレンドは一味違う。「おはながみ」を細かくちぎってクシャクシャに丸めたり、水で薄めた絵の具を綿棒でジワッと染み込ませる「にじみ絵」の技法を駆使した立体制作だ。
「子どもたちが指先で紙の質感を感じながら作る過程そのものが、大切な感覚教育になります」と語るのは、現場歴12年の保育士。「完成したかき氷を壁に飾ると、子どもたちは毎朝『僕のイチゴ!』『私のはブルーハワイ!』と嬉しそうに指をさします。自分の表現が空間の一部になる体験が、自己肯定感を育むんです」。酷暑で外遊びが制限される2026年の夏、室内の壁をダイナミックに使った表現遊びは、子どもたちのストレス発散の出口にもなっている。