移住・居住検討者が必ず直面する疑問が、「川に囲まれた地理的条件による水害」と「なぜ周辺の大都市と合併せず独立を保っているのか」という2点です。
第一に、駿東郡清水町ハザードマップと水害の関係です。町内には柿田川のほか、東側を狩野川、西側を黄瀬川が流れています。台風や集中豪雨時には、国管理の一級河川である狩野川の水位上昇に伴う内水氾濫や堤防越水のリスクが指摘されています。町が公開している防災ハザードマップを確認すると、徳倉地区南部や堂庭地区の一部など標高の低いエリアでは数メートルの浸水想定区域が指定されています。過去の狩野川台風の記憶を持つ古くからの住民も多く、土地選びにおいては「低地を避け台地側を選ぶか」「基礎を高くする等の対策が取られているか」の確認が不可欠です。
第二に、ネット上でも議論される駿東郡清水町が合併しない理由です。平成の大合併の際、三島市・沼津市との合併枠組みが議論されましたが、住民意向調査や町議会の判断を経て単独町制が選択されました。その決定的な根拠は次の3点に集約されます。
- 自立可能な財政力:サントムーン柿田川をはじめとする商業集積により強固な固定資産税・町民税収入があり、財政力指数が単独で安定していること。
- 独自水源の保全:町の宝である柿田川の利権と水質管理を広域自治体の一角に埋没させず、独自にコントロールし続ける方針をとったこと。
- 行政サービスの希釈化回避:合併によって周辺大都市の赤字穴埋めや周縁部扱いをされることを恐れ、きめ細やかな住民サービスを直接行き届かせる道を選んだこと。
自立路線を選んだ当時の政治判断は、結果として手厚い子育て施策や公共インフラの維持につながり、現在の高い自治体評価へと結実しています。