あらゆるサービスにおいて「タイパ(タイムパフォーマンス)」が叫ばれて久しい。短時間でいかに効率よく情報を処理し、タスクをこなすかが評価される現代社会に対し、この空間が提示するのは徹底した「脱・効率」だ。デンマーク人が大切にする「ヒュッゲ(居心地がよく快適な時間)」の概念が、空間の隅々にまで浸透している。
スマートフォンの画面を伏せ、柔らかな間接照明の光と心地よいジャズに耳を傾ける。ここでは時間を無駄に使うことこそが、最も豊かな体験となる。壁を飾るヴィンテージアートや、テーブルの上に置かれた一輪の花。計算し尽くされた視線のアフォーダンスが、過剰な情報に疲弊した脳を優しくリセットしてくれる。