1987年12月22日、日本のエンターテインメント界に激震が走った。覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されたのは、当時の若い世代のカリスマ的シンガーソングライターであった尾崎豊だった。東京・練馬区の自宅から警視庁の捜査員に連行される衝撃的な姿は、連日テレビのワイドショーや一般紙の社会面を大きく飾った。
当時、彼は若者の代弁者としての圧倒的な支持を集める一方で、表現者としての行き詰まりと深刻な精神的スランプに直面していた。単身渡米を経て帰国したものの、焦燥感は消えなかった。夜の街を彷徨い、現実の苦悩から逃避するために手を出した禁断の薬物。裁判での生々しい供述は、ファンに失望と深い悲しみをもたらすと同時に、時代を駆け抜けたカリスマが抱えていたあまりにも脆い内面を晒すこととなった。