食事療法においても、従来の常識が見直されつつある。かつては「とにかく野菜を食べてカサを増やす」ことが推奨されたが、弛緩性便秘の患者が不溶性食物繊維(根菜類や穀物など)を大量に摂ると、硬い便の塊がさらに膨らんで腸に詰まり、症状が悪化するケースが多発している。
今注目されているのは、水溶性食物繊維を意識した食事戦略だ。海藻類、オクラ、ナメコ、アボカド、大麦などに含まれる水溶性食物繊維は、便に水分を与えて柔らかくゼリー状にし、スムーズな排便を促す。
ここに納豆や味噌、キムチといった伝統的な発酵食品をかけ合わせることで、短鎖脂肪酸が生み出され、腸の粘膜が直接刺激されて蠕動運動が活性化する。日々の献立にこの「水溶性繊維×発酵食品」の黄金比を取り入れることが、頑固な滞留便を動かす強力なトリガーとなる。