「大阪の会場はどこも争奪戦。でも、尼崎に足を踏み入れた瞬間、箱の鳴りと観客の熱量に圧倒された」——都内からツアーで訪れたロックバンドのボーカルは、終演後に興奮気味にそう語った。
理由の一つは、圧倒的な「距離感の近さ」と「音響クオリティ」の共存だ。近年、尼崎市内のライブ会場では最新のアコースティック設計やハイブリッド配信設備が相次いで導入された。だが、本当に人を引きつけるのは設備だけではない。観客のリアクションが桁違いにダイレクトなのだ。手拍子一つ、歓声一つに嘘がない。アーティストとファンが互いの熱をぶつけ合う独特のグルーヴが、この街のステージには渦巻いている。