三代目社長の岩崎久弥と、四代目社長として財閥最後のトップを務めた岩崎小弥太。この二人がビジネスの世界を超えて遺した最大の功績は、学術と芸術に対する破格の投資だった。
特に久弥が私財を投じて設立した「公益財団法人東洋文庫」は、東洋学の研究拠点として世界最高峰の評価を誇る。オーストラリア人ジャーナリストのモリソン博士から買い取った膨大な蔵書を基盤とするこの文庫は、今なお研究者たちの聖地であり続けている。一方、小弥太が愛した国宝「曜変天目」をはじめとする美術品コレクションは静嘉堂文庫美術館に収められ、文化の美を現代へと伝えている。