この愛憎劇を語る上で欠かせない存在が、坂東三津五郎の前妻であり、元宝塚歌劇団トップスターの寿ひずるである。当時、既に家庭を築いていた三津五郎との関係が浮上したことで、世間からのバッシングは苛烈を極めた。略奪愛という過激なラベルが貼られ、近藤サトへの批判の波は社会現象化していった。
その後、前妻との離婚が成立し、ふたりは電撃的に結婚へ踏み切ったものの、梨園の妻としての生活は平坦ではなかった。跡取り問題、後援会との関係、伝統を重んじる周囲との摩擦。寿ひずるが守ってきた家庭の影と、若き新妻に課せられた重責は、あまりにも重くのしかかった。結果として、ふたりの結婚生活はわずか数年で破綻を迎えることとなる。