ヒートショックは正しい知識と日々の工夫で十分に防ぐことができます。住宅環境の整備と入浴マナーの両面から、実践すべき6つの具体策を紹介します。
1. 脱衣所と浴室を事前に温める
最も確実な対策は、部屋ごとの温度差をなくすことです。脱衣所には小型のセラミックファンヒーターを設置し、入浴前から室内を温めておきます。浴室暖房がない住宅では、湯船のフタを開けておく、あるいは高い位置からシャワーでお湯を浴槽や床に注ぐ「シャワー給湯」を行うだけで、湯気によって浴室内の室温が2〜3度上昇します。
2. お湯の温度は「41度以下」、浸かる時間は「10分以内」
給湯温度の設定は40度〜41度の微温浴が理想的です。42度を超える高温浴は急激な血圧変動を招くだけでなく、血液の粘度を高めて血栓を作りやすくします。浸かる時間は全身浴なら10分程度を目安にし、長湯は控えましょう。
3. かけ湯で体を徐々に慣らす
いきなり湯船に飛び込むのは厳禁です。足先や手先など、心臓から遠い末端部分から順に十分な「かけ湯」を行い、お湯の温度に体を慣らしてから静かに入浴します。
4. 入浴前後にコップ1杯の水分補給
入浴中は知らず知らずのうちに大量の汗をかき、体内の水分が失われます。脱水状態になると血液がドロドロになり、血管が詰まりやすくなります。入浴前と風呂上がりに必ず常温の水や麦茶を1杯飲む習慣をつけましょう。
5. 飲酒直後・食後すぐ・深夜の入浴を避ける
アルコールは血管を拡張させ、一時的に血圧を大きく低下させます。飲酒後の入浴は命に関わる不整脈や失神の引き金となるため絶対に避け、十分な時間を空けて酔いを醒ましてください。また、食後すぐは消化のために血液が胃腸に集中しているため、食後1時間程度は空けるのが安全です。
6. 家族間での声かけと見守り
高齢者が入浴する際は、「今からお風呂に入るよ」と声をかけ合い、家族も入浴後10分〜15分ほど経過した段階で「大丈夫?」と一声かけるルールを作っておくと、万が一の異変にも早期発見が可能です。