角田岬灯台の真下へと続く木道を降りていくと、岩肌が荒々しく抉り取られた巨大な海蝕洞窟が現れる。通称「判官舟かくし(はんがんふなかくし)」と呼ばれるこのスポットは、文治5年(1189年)、奥州へ落のびる途中の源義経一行が追手から逃れるため、自らの船を隠したという伝説が残る場所だ。
洞窟内に足を踏み入れると、波音が空洞に反響し、まるで太古の時間がそのまま凝縮されたかのような錯覚を覚える。現在では安全に散策できるよう遊歩道が整備されており、地質学的にも貴重な流紋岩の断崖を間近で観察できるサイエンス・観光スポットとして、大人の好奇心を刺激してやまない。