基幹ロケットH3と対をなす日本のもう一つの柱、それが小型固体ロケット「イプシロンS」だ。開発過程での燃焼試験トラブルを乗り越え、満を持して実戦投入のフェーズを迎えている。
イプシロンSの最大の強みは、機動性の高さと短い準備期間にある。液体燃料ロケットのような複雑な燃料充填プロセスを必要としない固体ロケットは、顧客が望むタイミングでピンポイントに小型衛星を軌道へ投入できる。この「即応性」こそが、観測衛星や通信衛星を手がけるベンチャー企業にとって喉から手が出るほど欲しい価値なのだ。
内之浦宇宙空間観測所から放たれる一閃は、日本の宇宙産業が大型機だけに依存しない全方位型の輸送システムを手に入れたことを象徴している。