新しいウェーブが押し寄せる一方で、街の歴史を支えてきた老舗の存在感も健在だ。昭和の雰囲気を色濃く残す喫茶店には、毎朝決まった席に座るお年寄りと、レトロな雰囲気を楽しむ若者世代が自然と同居している。
ベロア調の椅子、使い込まれたカウンター、そしてネルドリップで丁寧に淹れられる深煎りコーヒー。ここでは時間の流れが少しだけ穏やかだ。名物のモーニングセットは、分厚くスライスされたトーストに絶妙な茹で加減のゆで卵。飾らないシンプルさの中に、長年培われたプロの技術が光る。「結局ここに戻ってきてしまう」と語る常連の言葉には、時代の変化に揺らがない本物の温もりが込められている。