だが、急激なデジタル化は常に置き去りにされる人々を生む危険をはらんでいる。「タッチパネルの操作方法がわからない」「マイナンバーの暗証番号を忘れてしまった」。そうした声に応えるため、各区役所の一角には「デジタルコンシェルジュ」のデスクが特設されている。
ここでは、専門知識を持つスタッフや地元の市民ボランティアがマンツーマンで操作方法をレクチャーする。単に代わりに操作するのではない。住民自身がスマホや端末を使いこなせるよう丁寧に教え込む取り組みだ。行政の都合によるデジタル押し付けではなく、誰一人取り残さないための優しさがそこにはある。効率化を追求しつつも、温かな対面コミュニケーションの価値を再評価する動きが広がっている。