長年アンパンマンを演じ続ける戸田恵子と山寺宏一の信頼関係は極めて深い。戸田が座長としてスタジオ全体の空気を作り上げ、山寺が変幻自在の演技で周囲を引っ張る。二人がマイクの前に立つと、スタジオには心地よい緊張感と温かなホーム感が同居する。
「戸田さんのアンパンマンの声を聞くと、一瞬でアンパンマンワールドの住人になれる」と山寺は語る。掛け合いの中で生まれる即興の空気感や、セリフの間合い。台本上の文字に命が吹き込まれる瞬間、アフレコブースには言葉を超えたグルーヴが生まれる。世代を超えてキャストが支え合う現場の雰囲気が、作品に圧倒的なリアリティと温もりを与えているのだ。