「大事なプレゼンの直前、ポケットの中でカチャリと音がしたんです」。都内のIT企業に勤める佐藤美咲さん(28)は語る。取り出すと、キーホルダーにしていたナザール・ボンジュウにヒビが入っていた。「その日は信じられないようなミスを連発しそうになったのですが、なぜかギリギリで回避できました。あの青い目が守ってくれたとしか思えません」。
こうした「身代わり」エピソードはネット上で毎日のようにシェアされている。車のダッシュボードに吊るしていたものが事故直前に割れた、あるいは人間関係のトラブルが解決した瞬間に紛失した、といった具体的な体験談が後を絶たない。トルコの伝承では、持ち主に迫る悪意や災いをナザール・ボンジュウが吸収し、その限界を超えた時に割れるとされている。偶然の物理的破損にしては、あまりにもタイミングが良すぎるというのが、体験者たちに共通する実感だ。