見た目は昭和そのものの店舗群だが、内部では静かなイノベーションが起きている。2026年現在、横丁のほぼ全店舗でタッチ決済やQRコード決済、さらには多言語対応のAI翻訳デバイスが導入された。現金しか受け付けなかったかつての頑固なイメージは姿を消し、ハードウェアとしての昭和感はそのままに、ソフトウェアのみを現代版にアップデートするアプローチが定着している。
「日本語が話せない外国人客でも、スマホをかざせば料理の写真とアレルギー情報が即座に表示されます。でも、注文を受けた後の焼き加減や雑談は、すべて人間の手と声で行う。効率化すべきところと、絶対に自動化してはならないところの境界線を明確にしています」と語る若手店主の言葉には、現代的な商売の知恵が宿っていた。