オフィス北野が手掛けた一連の作品は、従来のヤクザ映画というジャンルの定義を根底から覆した。『仁義なき戦い』に代表される昭和の泥臭い抗争劇や、90年代のVシネマ的アプローチとは一線を画し、洗練された映像美と無駄を削ぎ落としたダイアローグで現代的なバイオレンス映画のスタイルを確立したのだ。
組員たちが黒の高級スーツを身にまとし、無表情のまま冷酷な任務を遂行していく姿は、どこか無機質なビジネスマンのようでもある。組織の論理に縛られ、代わりがきく駒として使い捨てられていく男たちの姿は、現代社会の構造的矛盾を痛烈に風刺しているかのようだ。