九龍半島の喧騒を抜け、細い路地に一歩足を踏み入れると、観光ガイドにはまだ載っていない怪物級の名店が存在する。現地で圧倒的なシェアを誇るグルメアプリOpenRiceのレビュー欄を騒がせているのは、1日限定数十食の焼き物(焼味)を提供する小さな食堂だ。外皮はクリスピーで香ばしく、噛んだ瞬間に肉汁が溢れ出すチャーシューは、まさに職人技の賜物と言える。
豪華絢爛なホテルレストランで味わう洗練された飲茶も格別だが、こうしたローカルな店で蒸したての点心を頬張る体験こそが、香港グルメの醍醐味だろう。ミシュランの星を持つ名店の料理長が隠れ家として通う店や、代々受け継がれた秘伝のタレを守り続ける老舗など、本場の食文化はどこまでも深く、そして熱い。