「奇跡の村」と呼ばれる背景には、明確な戦略が存在する。富山県舟橋村が脚光を浴びる最大の要因は、平成期から現在にかけて推し進められてきた「舟橋村子育て支援・住環境整備プロジェクト」の存在だ。大規模なニュータウン開発をただ漫然と行うのではなく、子どもの安全と親のコミュニティ形成を軸に据えた設計が施された。
舟橋村役場は民間の知見を積極的に取り入れ、単に家を建てる場所を提供するのではなく「子育て世代が孤独にならない空間」を提示した。村内の中央公園を中心に、住宅地や保育施設、教育機関が徒歩圏内にコンパクトに集約されている。この歩行者優先の都市空間設計が、若い夫婦の安心感を決定づけた。